部活動の在り方に関する方針(学校法人)

本方針は北海道が策定した「北海道の部活動の在り方に関する方針」に則り、学園が設置する学校に係る部活動の方針を策定するものである。

 

1 部活動の方針の策定等

(1)校長は、本方針に則り、毎年度、「学校の部活動に係る活動方針」を策定するとともに、校内に部活動に係る相談・要望の窓口を設置する。

 

(2)校長は、上記の「活動方針」及び「相談・要望窓口」の担当、連絡先等を学校のホームページへの掲載等により公表する。

 

(3)校長は、各部の責任者(以下「部活動顧問」という。)に対し、年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)並びに毎月の活動計画及び活動実績(活動日時・場所、休養日及び大会参加日等)の作成・提出を求める。

また、校長は、部活動顧問に対し、毎月の活動計画にある活動の開始及び終了時間を遵守するよう指導するとともに、計画を変更する場合は、あらかじめ校長の承認を得るよう指導する。

 

(4)校長は、上記の各部活動の年間の活動計画、毎月の活動計画及び活動実績等をもとに、教師や生徒の負担が過度とならないよう、持続可能な運営体制が整えられているか等の観点から、必要に応じて指導・是正を行う。

 

(5)校長は、部活動顧問に対し、当該顧問が年間及び毎月の活動計画、活動全般及び大会出場等に要する経費等に係る資料を配布するなどして、「活動方針」とあわせて、保護者・生徒の理解を得るよう指導するとともに、部活動顧問や生徒・保護者の負担が過度とならないよう指導する。

 

2 指導・運営に係る体制の構築

(1)校長は、生徒や教師の数、部活動指導員の配置状況を踏まえ、指導内容の充実、生徒の安全の確保、教師の長時間勤務の解消等の観点から円滑に持続可能な部活動を実施できるよう、適正な数の部を設置する。

 

(2)校長は、部活動顧問の決定に当たっては、校務全体が効率的・効果的に実施される必要があることに鑑み、可能な限り、部活動ごとに複数の顧問を配置するなど、学校全体としての適切な指導、運営及び管理に係る体制が構築されるよう十分考慮する。

 

(3)校長は、生徒指導の視点に立った部活動運営に努めるとともに、部活動を顧問任せにせず、学校全体に開かれたものとするよう、部活動の活動状況や生徒の状況等を交流する場を定期的に設ける。

 

 

(4)校長は、教師の部活動への関与について、「学校における働き方改革に関する緊急対策(平成29年12月26日文部科学大臣決定)」及び「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(平成30年2月9日付け29文科初第1437号)」を踏まえ、法令に則り、業務改善及び勤務時間管理等を行う。

 

3 合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進

(1)運動部活動における適切な指導の実施

① 校長及び運動部顧問は、部活動の実施に当たっては、生徒の体調変化や気象条件などの環境変化に十分注意するとともに、文部科学省が平成25年5月に作成した「運動部活動での指導のガイドライン」に則り、生徒の心身の健康管理(スポ―ツ障害・外傷の予防やバランスのとれた学校生活への配慮等を含む。)、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶を徹底する。

 

② 校長は、運動部顧問に対し、次のことを指導・徹底する。

○ スポーツ医・科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養を適切に取ることが必要であること。

○ 過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解すること。

○ 生徒の体力の向上や、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。

○ 生徒がバーンアウトすることなく、技能や記録の向上等それぞれの目標を達成できるよう、競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行うこと。

○ 専門的知見を有する保健体育担当の教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行うこと。

 

(2)文化部活動における適切な指導の実施

① 校長及び文化部顧問は、部活動の実施に当たっては、生徒の体調変化、気温や湿度などの環境変化に十分注意するとともに、生徒の心身の健康管理(障害・外傷の予防やバランスのとれた学校生活への配慮等を含む。)、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶を徹底する。

 

② 校長は、文化部顧問に対し、次のことを指導・徹底する。

○ 生徒のバランスのとれた健全な成長の確保の観点から休養を適切に取ることが必要であること。

 

○ 過度の練習が生徒の心身に負担を与え、文化部活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うこと等を正しく理解すること。

○ 生徒の芸術文化等の能力向上や、生涯を通じて芸術文化等の活動に親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。

○ 生徒がバーンアウトすることなく、技能等の向上や大会、コンクール、コンテスト、発表会等でのそれぞれの目標を達成できるよう、分野の特性等を踏まえた合理的でかつ効率的・効果的なトレーニングや活動の積極的な導入等により、休養を適切に取り、短時間で効果が得られる指導を行うこと。

○ 専門的知見を有する教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行うこと。

 

(3)部活動用指導手引の普及・活用

校長は、道が周知する「関係団体等が作成した部活動用指導手引」等を活用して、合理的でかつ効率的・効果的な指導を行うよう指導する。

 

4 適切な休養日等の設定

部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、教育課程内の活動、部活動、学校外の活動、その他の食事、休養及び睡眠等の生活時間のバランスのとれた生活を送ることができるよう、以下を基準とする。

(1)学期中の休養日は、平日に週1日(年間52日)以上、週末又は祝日に月1日(年間12日)以上、年間73日以上とする。週末又は祝日に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。休養日には学校で行う朝練習や自主練習も行わない。

大会、試合、コンクール、コンテスト、発表会等(以下「大会等」という。)の前で、やむを得ず活動を行う場合(高体連、高野連、高文連等が主催する大会等の日の前日から起算して1か月以内の期間の場合)は、代替の休養日を設ける。

 

(2)長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。

また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。

 

(3)1日の活動時間は、長くとも平日では3時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む。)は4時間程度、1週間の活動時間は長くとも16時間程度とした上で、できるだけ短時間に、合理的かつ効率的・効果的な活動を行う。また、成長期にある生徒のバランスのとれた生活や、部活動指導に関する教師の負担軽減に十分留意するものとする。

 

5 生徒のニーズを踏まえた環境の整備

校長は、生徒と部活動顧問の負担が過度にならないよう適正な数の部活動数を考慮した上で、既存の部活動の統廃合などと合わせて、競技力や技能の向上や大会等での成績以外にも、適度な頻度で行ったり、スポーツ・芸術文化等の活動に興味と関心をもつ同好の生徒が、学級内とは異なる人間関係を形成したりする等、生徒の多様なニーズに応じた活動を行うことができる部活動の設置について検討する。

 

6 その他の注意事項等

(1)女子の指導に当たっての留意点

女子の指導に当たっては、女性特有の健康問題(女性アスリートの三主徴(利用可能エネルギー不足、無月経及び骨粗しょう症)、貧血等)の予防対策に関する正しい知識を得た上で行う。

 

(2)部活動顧問と生徒の信頼関係づくり

部活動は、生徒の自主的、自発的な参加により行われる活動であることを踏まえ、校長は、部活動顧問に対して、次のことを指導・徹底する。

○ 指導の目的、技能等の向上や生徒の心身の成長のために適切な指導の内容や方法であること等を、生徒に明確に伝え、理解させた上で取り組ませるなど、部活動顧問と生徒の両者の信頼関係づくりが活動の前提となること。

○ 部活動顧問と生徒の間に信頼関係があれば、指導に当たって体罰等を行っても許されるはずとの認識は誤りであり、指導に当たっては、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定するような発言や行為は許されないこと。

 

(3)部活動内の生徒間の人間関係形成、リーダー育成等の集団づくり

校長は、部活動においては、複数の学年の生徒が参加すること、同一学年でも異なる学級の生徒が参加すること、生徒の参加する目的や技能等が様々であること等の特色をもち、学級担任としての学級経営とは異なる指導が求められることを踏まえ、部活動顧問に対して、次のことを指導・徹底する。

○ 部活動顧問が、生徒のリーダー的な資質・能力の育成とともに、協調性、責任感の涵養等の望ましい人間関係や人権感覚の育成、生徒への目配り等により、部活動内における暴力行為やいじめ等の発生の防止を含めた適切な集団づくりに留意すること。

 

(4)家庭や地域との連携を図る取組

校長は、部活動参観として保護者に部活動を公開する場を設けるなどして、保護者の部活動への理解を深め、学校と家庭が連携しながら部活動指導に取り組めるよう環境づくりに努める。

 

7 本方針の改廃について

本方針は、学校の取組状況などを踏まえるとともに、国や道の動向等を注視しながら、必要に応じて、内容の見直しを行う。